脳の誤作動記憶を調節する心身医療 心と脳と身体との関係性 -心身条件反射療法協会のサイトー

  脳に学習された誤作動記憶を調整する心身相関統合療法

 心身条件反射療法
(ニューロパターンセラピー)

Psychosomatic Conditioned Reflex Therapy

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心因性運動失調

報告者 : 保井 志之 D.C.(ファミリーカイロプラクティックセンター

【はじめに

心因性運動失調に絡んだ症状が、心身条件反射療法(以下PCRT)を併用した施術で早期に改善したのでその経過を報告する。
64歳男性が、両手の震え、首や肩の重だるさ、ならびに浮遊感や股関節痛を訴えて来院。
問診ではその症状は5~6年前より発症し、症状の悪化により両手の震えで茶碗を持つこともできずに、日常生活にも支障をきたしているという。病院での画像診断では頸椎の変形を指摘され、3日ほど通院したが変化がなかったとのこと。
いくつかの愁訴の中で、特に両手の震えは日常生活に支障をきたしており、深刻な問題であった。
ハード面(肉体)の施術には神経関節機能障害改善を目的としたアクティベータ・メソッド(以下AM)を用いた。メンタル面に関連したソフト面(心身相関)の施術にはPCRTを用いた。
PCRTでは、症状に関連する「エネルギーブロック」(以下EB)を特定し、その関連パターンの学習記憶による誤作動を調整することが主な施術目的になる。術前と術後の評価の客観性を高めるためにも、患者の主観やPCRT独自の検査法に限らず、医学分野でも使われる神経学的機能検査の評価も行った。
【検査】まずは、主な愁訴である「両手の震えがどこから生じているのか」に注目した。
医学的に運動失調を引き起こす神経中枢系障害には部位別に、大脳性、小脳性、前庭性、脊髄性があり、振戦を引き起こす病態にはパーキンソン病、甲状腺機能亢進症、肝性脳症、本態性振戦、小脳性疾患、心因性、中毒性・薬剤性、生理学的振戦(疲労・緊張性)、ジストニアに伴う振戦などがある。振戦を動作やタイミングで分類すると、安静時振戦、姿勢時振戦、本態性振戦、動作時振戦、企図振戦がある。
問診から推測できたのは企図振戦であり、病院で医学的検査を受けていることから構造学的な原因ではないことがうかがえた。
小脳性運動失調の疑いがあり、脊椎性運動失調との鑑別でロンベルグ試験を行ったが陰性で閉眼の影響はなかった。歩行では若干のよろめき歩行がみられた。その他、指-指試験、指-鼻試験、手回内-回外試験、踵-膝試験では左側で全て陽性反応が示された。患者自身も左側の動作に抵抗を感じていた。
それ以外のPCRTの効果判定に使う神経学的検査法として、ハッカ油による臭覚刺激とペンライトによる視覚刺激、メトロノームによる聴覚刺激、眼球運動によるその他の脳神経刺激などを加えて神経反射検査を行い、右側の聴覚刺激と右側眼球運動によって陽性反応が示された。

 

【経過

合計で5日間、すべてAMとPCRTの施術を併用した。
毎回、施術では初めにAMにより神経関節機能障害の改善を図った。
心と身体の関係性による誤作動反応にはPCRT施術を行った。
通院経過中に分析した関連感情は、「保護」、「恐れ」、「楽しみ」、「意欲」、「拘束」、「喜び」、「孤独」などで、様々な事柄が絡んでいた。
PCRT施術後には毎回、EB陽性反応が消失し、それに伴って神経学的検査反応の改善と症状の改善が顕著に表れた。4日目には小脳機能を強化する目的で、片足立ちのバランス強化のリハビリ運動も指導した。
5日の施術最終日、小脳失調運動の神経学的検査では、初回検査と比較すると、顕著な改善が見られ、患者本人からも日常生活には支障がないまでに回復されているとの報告があった。
完全ではないにしろ患者の方から治っているという自信が得られているので、希望により様子をみてもらい、悪化を感じたら来院するように促した。3か月半の間、患者の再来はなかった。
【考察】患者は以前当院を利用して下さっていた娘さんの奨めで来院された。
感情の検査では、いくつかの否定的感情や肯定的感情が混同していたが、施術経過の全体を通じて、「保護」というキーワードが主に影響を及ぼしていたように感じた。
「保護」という感情は、あまり示されない感情なので、患者に「何か保護というキーワードに関連する思い当たることはありますか」と尋ねると、患者自身はすぐに思いつかなかったが、横で付き添われていた娘さんが「私でしょう」という。お父様も納得された様子でその感情に対して施術を行った。その時は「保護」の内容は詳しくはお聞きしなかった。
その後、お孫さんも学校へ行きたがらないということで来院。
お孫さんの施術の際にご主人と別居されているというお話を伺い、娘さんのメンタル面やお父様の震えの背後にある「保護」という感情の因果関係が見えてきた。
お父様が来院されたときには、そのような精神的ストレスの話はされなかったが、恐らくそのことでお父様が心配されて症状が悪化したのかもしれないと思い、娘さんが当院を勧めてくれたのかもしれない。以前、娘さんには当院を利用していただいていたので、心と身体の関係性のことはよく理解していただいていた。
運動失調の原因には脳血管障害や腫瘍などの構造的な問題が原因の場合もあるが、本症例のように心因性の運動失調もある。心が身体に影響を及ぼし、身体が心に影響を及ぼしているということは周知のとおりでその関係性は密接につながる。
心身条件反射療法は、心と身体の関係性による誤作動を検査して施術を行う統合的なエネルギー療法である。まだまだ発展途上の施術法ではあるが多くの患者に貢献できることを願っている。

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