脳の誤作動記憶を調節する心身医療 心と脳と身体との関係性 -心身条件反射療法協会のサイトー

  脳に学習された誤作動記憶を調整する心身相関統合療法

 心身条件反射療法
(ニューロパターンセラピー)

Psychosomatic Conditioned Reflex Therapy

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アルコール依存症からの脱却

報告者 : 青柳 大士けんこうカイロプラクティックセンター

【はじめに

アルコール依存症は、飲酒によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患である。患者は、アルコールによって自らの身体を壊してしまうのを始め、家族に迷惑をかけたり、様々な事件や事故・問題を引き起こしたりして社会的・人間的信用を失い、職をも失うなど大きな問題となる。
アルコール依存症の過剰な飲酒は、意志が弱いから・道徳感が低いからと言われたり、不幸な心理的・社会的問題が原因であると考えられがちだが実際はそうではなく、多くの場合、病気の結果であることが多い。アルコールによって病的な変化が身体や精神に生じ、そのために過剰な飲酒行動が起こるのである。このことをまず本人や周囲の者が理解し、認めることが、この病気から回復する上での欠かせない第一歩となる。

【患者】40代男性
【主訴】アルコール依存症 うつ病 それに伴うイライラ感、便秘、栄養失調など
【病歴・現症】飲酒は20年前から毎日。仕事は2年前からしていない。アルコール依存症・うつ病の診断は8年前。
投薬治療が全く効かず、何かにつけイライラして安定剤代わりに飲んでしまう。いつもワンカップを一気に5本ほど飲みデロデロになる。(なりたい欲求が常にある)物を壊したり、転んでけがをするなど多数。(当センターで治療中も肋骨骨折、腰部打撲あり)親族にも多大な迷惑をかけている。
来院時には、精神科にて栄養療法中でサプリメント・薬を含めて毎食後20種類以上服用していた。
【治療】初回にPCRTの手法を用い、患者の身体の状態を把握、治療方針を決定した。
まず、栄養療法の大量サプリメントについては6カ月間試したが効果が出てない事、飲酒により身体が弱り果てているため、せっかく摂取してもそれらを吸収できていない可能性が示唆され、逆に身体に負担になっている可能性が高い事から、医師に中止を申し出てもらった。
食事で栄養を摂る重要性を理解させ、まずは弱り切った身体を戻す所から始めることとした。治療は週2.3回で計画した。
アルコール依存症を治すには、最終的には本人による禁酒しかない事を確認してもらい、意思を確認した。当面は心と身体の準備ができるまで、禁酒を強要しないことにした。
『初回~2週間』
お酒に対するこだわり、仕事をしていないことへの不安、自分への嫌悪感が強かった。
それらを調整すると、顔色が良くなり、体調も改善し、栄養摂取がうまくいき始めた。お酒をやめられそうな気がすると話し、改善傾向が見られたが、毎日の飲酒は止められていない。この時期、飲みすぎにより転倒し、肋骨骨折を起こした。
『2週~1ヶ月』
お酒に対するこだわりが強く、特にお酒にアレルギー反応があると思われた。
PCRTの手法を用い、いつも飲んでいるお酒(日本酒)と、砂糖のアレルギー反応を改善した。感情的には自己に対する劣等感、逃避が強く出てきた。体調はよいが、飲酒はしている。
 
『1ヶ月~2ヶ月』
「逃避」という感情がキーワードとなった。今まで、受験・仕事など嫌なことから逃げ続けた人生で、現実から逃げるための道具としてお酒を使ってきたことが問題となっていた。 何度か治療を繰り返すうちに、患者自身がそれを自覚し、逃避癖が問題だと気がついたことで劇的に改善してきた。体調も安定してきたため、患者と相談の上、禁酒治療を始めた。
 
『2ヶ月~3ヶ月』
当初、禁酒3日程度はOKだが、それ以上なかなか続かなかった。家族が目の前で飲む事もあると言い、その際手を出してしまう事もあるとのことで、家族を呼んで協力を要請した。
身体症状として、関節のイライラ感が強く、お酒を飲むと収まる感じがするとのこと。離脱症状の一つと思われた。
今の自分に対する不甲斐なさが強くなり、「怒り」「空虚」といった感情が問題となってきた。仮に飲酒してもデロデロになるまでは飲まないなど、かなり安定してきたため、週1回の治療に切り替え、様子をみていた。
3ヶ月に入るころ、1週間の禁酒に成功し自信を深めたのか、突如フルタイムの仕事を開始。1週間で挫折し退職、依存症も再発した。
 
『3ヶ月~4ヶ月』
集中ケアを行い、再発前の状態へ戻った。
仕事復帰への熱意が強いが、常識的にまだ厳しいと思われたため、PCRTの手法を用い仕事復帰の時期、職種選択等をアドバイスした。
再発前へ改善後は飲酒も殆ど行っておらず、禁酒も苦になっていないとのこと。
改善傾向であるが、仕事復帰は少し先にして頂き、当面はまだケアを行う予定である。 なお、身体のハード面のケアとしてAMCTを用い、毎回PCRT治療前に行っている。
【まとめ】8年来のアルコール依存症が早期に改善した症例である。
PCRTでケアをした感情的要素にもハッキリとした傾向があり面白いと感じた。再発が無ければ、3ヶ月でかなり良い状態まで来ていたと考えられ、PCRTはアルコール依存症に非常に有用であったと思う。
但し、この病気は『完治』はないと言われ、今後1滴でも飲む事があれば再発してしまう可能性があるため、長期にフォローしていかなければならない。
また、個人的には社会復帰できて初めて治療の成功と考えているので、現時点で達成していないが、もう間もなくの予定である。

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