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  脳に学習された誤作動記憶を調整する心身相関統合療法

 心身条件反射療法
(ニューロパターンセラピー)

Psychosomatic Conditioned Reflex Therapy

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パニック障害にPCRTが劇的効果を示した一例

報告者 : 青柳大士青柳カイロプラクティックセンター

【患者】

30代女性(既婚:子供二人) 主婦

【主訴】パニック発作、予期不安等、パニック障害付随症状
【臨床情報】ある晩摂取した飲食物(桃orユンケル)がきっかけとなり過呼吸、吐き気に見舞われた。何度か繰り返し、夜間に「また苦しくなったらどうしよう」との予期不安強くなった。
過呼吸、息苦しさを中心としたパニック発作、不眠等出現し、日常生活に大きく支障をきたした。
神経内科受診したところ、パニック障害と診断され、薬物治療の方針になった。薬は常習性があるとの心配を相談され、その日のうちにすぐ来院して頂いた。

【パニック障害について~基礎知識~】

1.定義
パニック障害は不安障害の中に位置づけられる病気であり、以前は不安神経症と言われていた。
薬がよく効くこと、カフェイン、乳酸、炭酸ガス等でパニック発作が誘発されること、睡眠中に起こる発作は怖い夢を見ている時ではないこと、などが基礎となりパニック障害と言われるようになった。
病気の中心症状は激しい不安。体の底からわきあがる理由のない不安と種々な身体的症状からなるパニック発作が主。診断されるまでに多くの医師を訪問することが多い。医学的検査で異常がなく、繰り返しまたは、持続的にいろいろな身体症状が出る場合はこの病気を強く疑う。 

2.発作の種類
①パニック発作
心悸亢進.発汗.身震い.手足の震え.呼吸が速くなる.息苦しい.息が詰まる.胸の痛みまたは不快感.吐きけ.腹部のいやな感じ.めまい.不安定感.頭が軽くなる.ふらつき.非現実感、自分が自分でない感じ.常軌を逸してしまう.狂ってしまうのではないかと感じる.死ぬのではないかと恐れる.知覚異常(しびれ感、うずき感).寒気.ほてり.口の渇き.腰がぬける 等の発作症状が突然発症し、数分から数十分持続して自然に消失する。
②予期不安
パニック発作がまた起こるのではないかと強く恐れる。この恐れのために日常生活が変化してしまう。パニック障害の中核症状。
③広場恐怖
パニック発作を強く恐れて、すぐ逃げ出せないところ、助けがたやすく得られない状況を忌み嫌い、回避する状態。パニック障害を発症した人の3/4は多かれ少なかれ広場恐怖が出ると言われている。
④非発作性愁訴
激しくなく、持続的な種々な症状。急性期以降、息苦しい、胸がザワザワする、地面が揺れるような感覚、頭が重い・痛む、体が重い、目がちくちくする、血の気が引く、頭の浮動感、雲の上を歩く感じ、手足がしびれる、微熱、耳がツーンとする等々慢性期症状。
⑤パニック性不安うつ病
気分の浮き沈みが激しい、夕方近くや夜になると理由なく泣く、時に自傷行為、食欲亢進、寝ても眠い、体がだるい、言葉に敏感に反応して切れたり、強く落ち込む、などいろいろな逸脱行動が出る。 

3.疫学
生涯有病率1.6%2.2%。女性の罹患率が2倍。うつ病が併発する場合が多く、日本では約3割、欧米では約56割と言われている。 

4.原因
従来、心理的な葛藤が根本にあると思われてきた。しかし、認知行動療法の有効性が明確となり、心理的「原因」よりも、症状に対する患者の対処が症状進展のメカニズムとしては重視されるようになった。薬物療法の有効性も確認され、生物学的因子があるという意見も強くなっている。 

5.西洋医学的治療法
①薬物療法
メイラックス、デプロメール、パキシル、デパス、ワイパックスなど。
②認知行動療法
病気の理解と対処法の患者教育を受けることも大切とされる。病気に対する不安が軽減され、発作も減少していく。パニック発作に対する認知療法、広場恐怖に対する行動療法も非常に効果があるとされる。
a.暴露反応妨害法(暴露療法) :不安が誘発される状況に想像的 (in vitro) または体験的 (in vivo) に身を置き、回避しないことで徐々に慣れる
b.呼吸法 :過呼吸にならないようなリラクゼーショントレーニング 
c.筋弛緩法:筋肉を緩めるリラクゼーショントレーニング 

【治療経過】初回:AMCT&PCRTを施行。
AMCT:ベーシック+仙骨~骨盤部を中心に治療。(副交感神経系刺激目的)
PCRT:きっかけが食品だと聞いていたので、「飲食」カテゴリーでの治療になるだろうと予想していましたが実際は異なりました。
★指標筋:中殿筋 イメージ:予期不安の状態
★PCRT-1:緊張パターン:現在⇒家族関係⇒寂しい
・夫が不規則な仕事の為、夜いない事が多い。
・辛い時にそばにいてくれない。
・誰も大人がいない状態でまた発作が起きたらどうしよう。
⇒PCRT施行し、家族関係は陰性に。
まだ予期不安イメージで陽性。
★PCRT-2:緊張パターン:現在⇒飲食(飲み物)⇒寂しい
・疑われたユンケル、桃⇒陰性
・家でよく飲むものと言えばコーヒー⇒陽性
・コーヒーは胃に良くないと思っていて、飲みすぎるとムカムカする事もあるが、子供を送り出した後や寝かしつけた後など、一人でいる時にはつい飲んでしまう。
⇒寂しさを紛らわすツールになっている可能性あり。
・一人で寂しく飲んでいる状況のイメージでPCRT施行。⇒予期不安陰性に。
【治療結果】パニック障害で最も重要と思われる予期不安をターゲットに治療した。
★その晩から予期不安は全く起こらなくなった。
★夜の息苦しさ(パニック発作)は残るものの、ごく軽度で、薬を飲むほどでもない。
⇒息苦しさはその後3回のAMCT&PCRT治療で消失。
処方された薬は一錠も服用することなく改善した。
【考察】★食べつけない食品摂取がきっかけで発症した(自称)ようだが、食品そのものはあまり問題ではなく、【寂しい】という感情がキーとなっていた。
PCRTで劇的に改善した一例である。
★今回は超急性症状(診断翌日)であったため、劇的に効いただけかも知れず、慢性期に対する症例検討も必要と思われる。
★パニック障害の治療をする際、ターゲットにすべきは個別の身体症状であるパニック発作ではなく、予期不安から行うとよいと考える。また、術者のマインド設定は個別の症状を追うより、パニック発作、予期不安、広場恐怖と言うように広く設定した方がよいのではないかと考える。 
【結論】★パニック障害のように、認知行動療法が効果的だと言われる疾患には、類似治療で心身に負担の少ないPCRTが安全かつ非常に有効である可能性が高い。

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