脳の誤作動記憶を調節する心身医療 心と脳と身体との関係性 -心身条件反射療法協会のサイトー

  脳に学習された誤作動記憶を調整する心身相関統合療法

 心身条件反射療法
(ニューロパターンセラピー)

Psychosomatic Conditioned Reflex Therapy

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心身条件反射療法(PCRT)のアプローチ方法について

けんこうカイロプラクティックセンター
院長 岩崎 久弥                                                                                         2008. 10.6

はじめに

心身条件反射療法(ニューロ・パターン・セラピー)を勉強し始めてから、心と身体が密接に関係し、痛みや病気のほとんどが、心(感情)の影響を受け ているということを認識し、いままでの治療が無機質な治療だなと思うようになった。

RMIT 大学でカイロプラクティックを学んでいる時、サブラクセーションが痛みの原因であるということに、若干の疑問をもったものの、大学で教えられていることが、グローバルスタンダートだという気持ちでいました。
しかし、実際の臨床の場では、患者さんの症状を機械的に考えたのでは、説明がつかないことが多く、疑問が増すばかりでした。

機械的生命観から患者さんを治療することへの限界がきているのではないかという時に、心身条件反射療法(ニューロ・パターン・セラピー)と出会って、 本当に良かったと感じています。

心身条件反射療法を学び始めた当初の、患者さんの痛みや病気の原因となっていると思われる人間関係・先行き・食事のストレス・運動のストレス・姿勢 のストレス・立場のストレス原因を追及している時は、ストレスをストレスと感じていない患者さんに、

「なぜこのストレスがわからないいんですか」
「これが本当のストレスですよ。」

という質問や投げかけをして、患者さんを追い詰めてしまっているという気持ちが強く、治療後に患者さんも私もなんとなくすっきりとしないことがありました。
そのような経験からどのようにしたら、患者さんが気持ちよく治療をおえて帰ってくれるようになるかばかり考えていました。
そんなときに、コーチングと出会い、学ぶことで、患者さんとの関係が一変しました。
コーチングの経験が浅いせいか今でも、「なぜこんないい考えを受け入れられないんだ」というジレンマから、患者さんに対して強い口調で、原因を追及してしまったことも少なからずあり、反省することがあります。

ニューロ・パターン・セラピーについてのことを考えているときに、脳科学者の池谷祐二氏がおもしろいことをいっていることに興味を持ちました。
記憶は、脳のある部分に蓄えられているのではなく、思い出すたびに形成されるものだということです。
すなわち記憶というのは体験によって得られた情報に基づいて脳内に形成さ れる「神経回路」ということだと思います。またニューロン・ネットワーク、 神経結合など、幾つかの言い方がありますが、「シナプス結合」という言葉が、あっているようです。

このことを考えてみると、ニューロ・パターン・セラピーでマイナス・イメ ージからプラス・イメージに転換しているときの患者さん脳は、過去のマイナ スのシナプス結合から、現在のプラスのシナプス結合が起こっている時で、こ のシナプス結合を強固にするために、アクティベータ器や手による丹田への刺 激が、脳の連合学習(梅干しをみると唾液がでるという条件反射は脳の連合学習の一種です)に役立っているのではないかと考えます。

今回は、コーチング・テクニックや脳神経学の側面からマイナス・イメージ をプラス・イメージに変えていくテクニックを考察してみることにします。

 

 

ニューロ・パターン・セラピーにミラーニューロンを活用する

ミラーニューロンの発見は、20 世紀の脳科学上、最大の発見ともいわれてお り、このミラーニューロンのことを知ったときに、ニューロ・パターン・セラピーで、患者さんがマイナス・イメージからのプラス・イメージに転換することに窮している時、テクニックとして使用できないかと思いました。
波動の面からも考えてみると、初対面でも同じ趣味同士の人は、すぐにうち解けたりすることもあります。また落ち込み暗くマイナス思考の人と付き合っていると、元気だった自分も、マイナスの波動にのみこまれて元気を失ってしまうこともあります。このように考えてみると波動を感じ取っているのは、ミラーニューロンかもしれません。

 

・ミラーニューロンとは
ミラーニューロンとは、サルが運動するときに活動するだけでなく、サルが ヒトが行う同じ運動を見ているときにも活動

Rizzolatti, G., and Craighero, L. The mirror-neuron System. Ann. Rev. Neurosci. 27, 169-192, 2004.

脳科学者 茂木健一郎氏は、日本経済新聞2005年7月28日夕刊掲載に 記事で下記のように述べている。

 

ここ十年の脳科学における最大の発見と言えば、何と言っても大脳皮質の前 頭葉で見つかった「ミラーニューロン」である。最初は猿の脳から報告されたが、その後、人間の脳でも対応する部位が発見された。
ミラーニューロンは、その名前が示唆するように、自分の行為と他人の行為 を鏡に映したように表現する。例えば、自分が手を伸ばして何かを掴む時にも、 他人が同じ行為をするのを見ている時にも活動するのである。
ミラーニューロンが注目されるのは、それが、「他人の心を読み取る」という脳の大切な機能を支えているのではないかと推測されるからである。人間の本質は、他人とコミュニケーションをする社会的知性に顕れる。ミラーニューロンは、他人と柔軟にコミュニケーションする人間の驚くべき能力を支えている と考えられるのである。
ところで、一時期の日本では、戦後の文化風土と絡めて「個人主義の行き過 ぎ」を批判する風潮があった。個性を主張するのもいいが、他人と協調するこ とも大切だとする論者が散見された。
個性の発揮と他人との協調が相容れないとするのは、脳科学の視点から見れば間違いである。ミラーニューロンの発見に象徴されるように、個性は、むしろ他人との関係性においてこそ磨かれる。他人の心という鏡に映った姿を通して、私たちは自分の本性を知るのである。
激化する国際競争の時代、日本人が個性なしでやっていけるはずがない。個性と協調性は矛盾するという科学的に間違った思いこみは捨て、脳の中の鏡で大いに個性を磨こうではないか。

 

茂木氏が「自分の行為と他人の行為を鏡に映したように表現する。例えば、 自分が手を伸ばして何かを掴む時にも、他人が同じ行為をするのを見ている時にも活動するのである。」といっている、ミラーニューロンをうまくニューロ・ パターン・セラピーに取り入れることができないかと考え、けんこうカイロプ ラクティックセンターでは、さまざまな取り組みを行ってみた。

 

・マイナス・イメージからプラス・イメージへのアプローチ
写真を見せることも重要であるが、患者さんへの質問も大切である 例えば、家族の人間関係に悩んでいる患者さんには、患者さんが、笑顔の家族写真を見せて
「この写真をみてプラスのイメージをして下さい。」 
という問いかけでは、患者さんがあまりよい反応を示さない。これはプラスの イメージという質問が、漠然としているためではないかと思われる。

したがって、より具体的に患者さんにイメージをしてもらえるように、
「この写真のような笑顔の関係になることを想像してください」

と具体的なことを質問することで、患者さんもイメージがしやすいように 思います。

「この写真のように笑顔の関係になることを想像してください」

「こんな感じの笑顔で仕事をしているところを想像して下さい」

それでも、自己肯定感が落ちている患者さんにはイメージをすることが難し い時があります。それは自己肯定感が落ちている患者さんには、プラス・イメ ージができないことがストレスになるとことあるからです。

そのような患者さんには、 

「この問題を解決できたときには、どんな感じですか?」 などの少し違った見方をすることも一案だと思います。

 

・コーチングのテクニックからのアプローチ
マイナス思考になっている患者さんをどのようにしてプラスにするか。 患者さんと接していると、患者さんの多くは「被害者」ということを強調します。
「あの上司が悪い」
「同僚の対応のせいで自分は、こんなにつらくなっている」
「夫のせいで」 などなど、
人は、たやすく「被害者」になってしまうようです。

周りの「環境」のせいで自分はこんなに苦労している、こんな目に遭ってい る。その環境(上司や同僚や夫)に働きかけてなんとかしてやるという「主体者」としてのスタンスをすぐに忘れてしまうようです。

このような患者さんに、
「このように考えたらどうですか?」とか
「そんなの患者さんのマイナス思考からくるものですよね。」 などを言ってしまうと、患者さんは、この先生は、自分の気持ちがわかってくれていないと重い、患者さんとの信頼関係が一瞬で崩れてしまいます。 まず患者さん(被害者)は患者さん(被害者)が作り出した物語の中にいます。

「自分は考えて、一生懸命に動いているのに、○○さんはこう動いてくれない、こうしてくれない。
などです。

被害者に陥ってしまった人を主体者に引き戻すやり方を記すと、
1.患者さんの被害者としての物語を徹底的に聞く
2.患者さんが被害者としての物語を持ち続けることで、どんなリスクが未 来にあるかを明らかにする(想像してもらう)
3.どのようにしたらいいかという主体者としての物語を描く

 

1.はそのまま活用できると思いますが、治療時間に制限があるので、初診の問診時になるべく患者さんのお話を集中して聞き、初診時に患者さんとのラポールを築けるように心がけるようにしたいです。
2.には、適当な質問が必要でしょう。
「今までの考えをしていると、その方との関係はどのようになりますか?」とまずリスクを考えてもらいます。
3.その後、「その方との関係が良くなったと仮定すると、患者さんはどのような気持ちになりますか?」 とプラス的な発想で考えてもらうことがいいでしょう。

 

患者さんのタイプ分けによるアプローチ

患者さんは大きく分類すると4つのタイプにわけられる。分類の仕方は、初診の問診時に、患者さんとお話をすることである程度の分類はできる。その後 患者さんと治療を通して、この患者さんには、どのような問いかけが有効かと いうことがわかってくるので、患者さんの傾向を知ると有効だと考えます。

主導タイプ
特徴自分で決めたい
人から言われたくない
挑戦的
結果が大事
人間関係より仕事優先
好む関わり方結論から
単刀直入に
すばやく
堂々と
確信をもって
嫌う関わり方回りくどい
指示的・威圧的 細かな質問
主導権を握られる
このタイプの患者さんとの 関わり方回りくどい質問はさけて、
「○○さんは、人間関係で改善が必要ですね。」 確信を持って、質問することが有効です。
行動タイプ
特徴人に影響を及ぼしたい 中心でいたい
独創的 大勢でワイワイ
好む関わり方大げさな反応
たくさんの承認
変化のある話し方
未来に向かって
楽しさとワクワク感
嫌う関わり方否定的な言動
意見の押し付け
同じ事の繰り返し
変化がない
反応がない
このタイプの患者さんとの 関わり方「すごいですね」
「さすがですね」
などの言葉を好む傾向にあるので、プライドを保つような質問をしてあげることが有効です。
「○○さんのだったら、このようなことが続くとどんな状況になるか想像できますよね。」
慎重タイプ
特徴行動は慎重
物事を始める前にデータを集め、分析する
計画を立てるのがすき 物事を客観的に見ることができる。
失敗することに対して恐れがある
変化や混乱に弱い
好む関わり方具体的に
順序立てて
論理的に
理由とデータ
細かくきっちりと
嫌う関わり方あいまいな言い方
根拠がない
いきなりの変更
枠組みがない
適当
このタイプの患者さんとの 関わり方このタイプの患者さんは、失敗が怖いので、新しい考えの治療法には抵抗感があり、情報を集めるようなことをする。 ニューロ・パターン・セラピーの冊子やきめ細かい受け答えをして、患者さんが満足するような情報を与えるとよい。 具体的に質問をする。ほめる。
サポートタイプ
特徴人を援助することを好む
人との協調性を大事にする他人の気持ちに敏感で、仕事よりも人間関係を優先させる
好む関わり方たくさんの承認
感謝とねぎらい 肯定イメージ
きめ細やかな関わり
嫌う関わり方威圧的態度
関わりが少ない 争いや対立
かまってもらえない
このタイプの患者さんとの 関わり方このタイプの患者さんは、人間関係で悩んでいることが多く、人の評価を気にしていることが多い。
あまり自分から表現することをしないので、患者 さんが欲していることを見つけて、質問を出してあげると効果的。
自分がどのような意見をもっているのかを、時間を少しとり、メモなどにまとめてもらうと自分を表現しやすい。

おわりに

今回のアプローチ方法は、私が患者さんと接していて、同じ症状の患者さん でも治療効果にかなりのひらきがあることがあり、なぜこのような結果になるのかという疑問を持ったことからはじまっています。

いくつかの面から、患者さんのマイナス・イメージをプラス・イメージに変 えるアプローチを見てきましたが、やはり人間は、完全に分類することは難しく、患者さんの話をよく聞き、一人一人の患者さんにあったアプローチが必要 なことは明白です。
そのためにある程度の患者さんたちの傾向を知っておくことで、患者さんと ドクターのとのミスマッチを最小限に抑えられると思います。

これからもコーチングはじめ、NLPや心理学・脳神経学の情報にアンテナを張り巡らしておき、ニューロ・パターン・セラピーに有効な情報を吸収し、提供できるように努力をしたいと思います。


ニューロ・パターン・セラピーという素晴らしい治療法を教えてくださっている保井志之先生に感謝します。
ありがとうございます。

 

参考文献 
メンタルヘルス・コーチ セミナーテキスト 
脳は何かと言い訳をする   池谷裕二  祥伝社

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