脳の誤作動記憶を調節する心身医療 心と脳と身体との関係性 -心身条件反射療法協会のサイトー

  脳に学習された誤作動記憶を調整する心身相関統合療法

 心身条件反射療法
(ニューロパターンセラピー)

Psychosomatic Conditioned Reflex Therapy

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突然の体調不良

報告者 :関 隆一 B.C.Sc  カイロプラクティックオフィスSEKI)                                                   2011.6.19

【患者】

40代 女性 専業主婦

主訴

数日前に友人たちと一緒に居るとき、振り向いたら突然気持ちが悪くなり、たちまち吐き気に襲われた。何とか自宅までたどり着いたが、限界を超えて嘔吐した。その後、徐々に耳鳴りが強くなり体調が悪化していった。当然食欲もなく、まともに栄養摂取ができていない状態。

既往歴】 
 

現在はメンテナンスで当院を利用しているが、初診時はメニエール病で来院。アクティベータ・メソッドにてほぼ改善。現在はメニエール病特有の回転性めまいは出ていない。ただ疲労が溜まると耳鳴りがしてくる。

神経学的考察(概略)

突然の嘔吐だったので、緊急を要する可能性もあったが、来院していることを考えると排除しても差し支えないと思った。

解剖学的に嘔吐中枢は延髄のオリーブ核レベルの孤束核にある。その上方には迷走神経背側核や前庭神経核などがあり非常に重要で且つデリケートな部位である。

嘔吐は通常、血管障害や化学物質の刺激により誘発される。代表的なものはワレンベルグ症候群がある。これは構音障害、めまい、嚥下障害、小脳失調、運動麻痺、知覚麻痺などが特徴である。

検査1

OPK・・・右から左の流れでパスートが明らかに低下しており眼球が右へ流れてゆく。

方向注視・・・左斜め下方を見ると気持ち悪くなる。

小脳皮質テスト・・・右手のリズムが狂いだす。

つぎ足歩行・・・不安定。

閉眼足踏み・・・前方へ移動する。

脳血管頭頸部機能テスト・・・ほぼ問題なし。

眉間タップ・・・問題なし。

以上から右後半規管と同側の小脳の機能低下を疑った。またワレンベルグ症候群の可能性はほぼ無いと判断した。

【検査と治療】

PCRTの五感チャートにて緊張パターンの絞り込みを行った。
まず自分が今症状で困っているイメージをしてもらった。すると下肢の緊張が表れて筋力も低下した。

「パターン1」
視覚人物家族関係
マイナスは夫が週に3~4日も記憶を無くす程お酒を飲んで帰宅するようで、その姿を見るのが耐えられない。
プラスは実際に休肝日を設けて夫婦で外食をして楽しんでいるとのこと。

「パターン2」
聴覚物音家族関係義母
マイナスは近頃、義母がテレビをつけたまま寝てしまい、その後の始末が面倒くさい。また「なぜ私が・・・」という感情が強く表れていた。
プラスにはできず、そのまま顕在意識に持ち上げて認識させた。

「パターン3
パターン2で反応は消えていたが、確かめ算のつもりで困っている自分をもう一人の自分が見ている設定をしてもらった。すると再び下肢に緊張が表れた。プラスは現在の自分からみて活動的な理想の自分を想像してもらい、且つもう一人の自分がその自分を見ている設定にした。

【結果】

本人が驚くほどその場で回復した。神経学的検査もすべてクリアーした。特に右後半規管の改善が顕著で左斜め下方への注視がハッキリと自覚できたとのことだった。耳鳴りも小さくなった。胃の調子は食事を何も摂っていなかったこともありサッパリ感はなかった。

【追跡調査】

翌朝に電話で状態を聴取してみた。

食事を摂れるようになり胃がサッパリしてきた。

ぐっすり眠れて寝起きも良かった。

気持ち悪さ、フラつき感などは皆無。

耳鳴りは治療後のレベルを維持している。

回復傾向は明らかとのこと。

【考察】

上部頸椎部へのアジャストメントなしで脳幹部のエラーをクリアーできたことの意義は大きいと思う。繰り返しになるが、上部頸椎部は様々な神経核が密になっており、非常にデリケートである。アクティベータ・メソッドのような力の弱いテクニックでも刺激箇所を間違えればそれこそダメージはかなり大きい。カイロプラクティック的な振動刺激なしで脳幹部の過活動性にもPCRTは効果をもたらしたことになるわけである。

また本来ならば機能神経学的アプローチでa求心性神経を利用して刺激を脳へ送れば即座に解決しただろうが、今回も他の治療法を用いず、あえてPCRTのみで対応した。神経学的、解剖学的に判断することは障害部位の特定とそれを患者に説明するためにも必要なことと考えている。しかし「なぜその部位の機能がエラーしたのか?」という疑問にはなかなか説明することができないのが現実である。各々が生活する環境から脳に入力される「刺激」が本人にとって「好ましい、好ましくない」かが重要ではないかと思う。好ましくない刺激は交感神経を余計に活動させてしまい緊張を生む。この事実から考えても個人の感性や性格がストレス確定の重要な要素になっているのは明白である。構造的見地からのアプローチはこれら個人の環境的背景を無視したものであり、本質的アプローチとは言い難い。あくまでも神経学や解剖学をベースにした「対処法」なのではないだろうか?PCRTはその背景にまで入り込み、脳に再認識・再学習させる非常に効果的な治療法と考えざるを得ない。

今回もPCRTのパワーを存分に感じることができた。素晴らしい!

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