報告者:渡辺賢治(理学療法士)
報告日:2009年8月3日
〔患 者〕16歳男子高校生 ラグビー部
〔診断名〕右足関節外側側副靭帯損傷
右足根洞症候群
〔既往歴〕特記すべき事項なし
〔現病歴〕平成21年4月21日ラグビー練習中に内反捻挫
(この日のうちにリドカインとリンデロンを距骨下に注射)
4月27日再度受傷
6月4日再再度受傷
〔その他〕視診・観察:問題なし
可動域:問題なし
筋力検査:問題なし
整形外科検査:足関節内反に若干のインスタビリティーあり
〔施術〕
以上の検査結果からは特に大きな問題は見つけられない。
しかし受傷時の事を思い出しながら筋力検査を行うと、極端に第三腓骨筋の筋力が弱化した。
感情的問題が隠されている事が分かる。
そこで最初の受傷時どのような感情を持ったのか尋ねると、「先生に怒られる」とのこと。
最後の受傷時は「またやってしまった」。どうやら先生の目が気になっているようである。他人の目を気にし、自分のためにプレーをすることを忘れているようである。
この患者は三度の捻挫という同様の出来事を繰り返した。
繰り返す出来事一つ一つに生じる感情を個別にリリースするのではなく、最初と最後の感情をリリースし、すべての出来事に生じた感情を串刺しにしてリリースする方法を試みた。
結果、捻挫時のことを思い返しても第三腓骨筋の弱化は見られなくなった。
この日一度の施術のみでその後再発は見られない。
〔考察〕
繰り返す捻挫の原因として、修復が不完全、安静による筋力弱化、リハビリ、トレーニングの不足などが考えられる。
しかしこの患者は損傷の程度が軽く、トレーニングも積み筋力も強い。
患者は高校入学時、とてもこの顧問を尊敬していた。
その顧問の前でまずいプレーをしてしまい、さらに怪我までしてしまった。
顧問の目を気にするあまり、本来のスポーツの楽しみや目的を見失い、惨めな思いを抱いてしまった。
このような感情を持ってプレーすれば、パフォーマンスの低下は当然である。
そして怪我に至るという条件反射が形成された。
今回のケースは感情の問題が原因であり、その感情を開放する事により速やかに問題は解消された。
