眠れないほどの足のシビレと腰痛

 
報告者:土子 勝成(つちこカイロプラクティック

 

【患者】 73歳 男性
2ヶ月前から寝れないほどの左大腿部外側から下腿外側への引きつれ感、かなりの痛み、シビレ(ここ数週間は痛みのため睡眠時間は30分~1時間程度との事)。
朝、便座に座ると左股関節外側と、左でん部の激しい痛み。

【専門医での見解】 A病院にてMRI検査を行い「椎間板ヘルニア」による神経の圧迫との診断結果で、手術を薦められた。さらに、B病院でもMRI検査にてL3-4間の「脊柱管狭窄症」による神経の圧迫と診断され、手術を薦められた。

【治療の頻度】 初回から5日間連日、2日間休みその後2日間連続、その後1週間おきに2回(トータル10回)。

 【施術内容】
ニューロ・パターン・セラピーをメインに行い、アクティベータ治療も併用して行う。

【来院時の検査での症状】 左足屈曲にて左でん部に痛み。仰臥位にて両膝を立て、右方向へ倒すと左の大腿外側に張りと痛み。眠るときに特にひどい左下腿の症状は、ヒザ関節、足関節を含め可動による誘発はなかった。

【5日間連続治療】 奥さん、娘婿、娘、趣味のカメラ、カメラ関係の役職、カメラ資料、個展についての緊張するパターンを、深呼吸とパターン振動と共に切り替える治療を行った。

【5日間の治療成果】 切り替える治療により、来院時の痛みはその都度全て消失した。しかし、夜になると、痛みが再発して30分~1時間しか眠れないとの事。

【治療方針を変更】 反応するパターンに対して、眼球ポジションを治療に加える事とした。この眼球ポジションとは、緊張するパターンに対して、目の動きの刺激を利用して新しい刺激で記憶の上書きをする方法である。

 
地下鉄を歩く緊張パターンに対し、左斜め上
家を出る時の緊張パターンに対し右斜め下
趣味のカメラの団体内で自分をだましている緊張パターンに対し、右斜め下
 
【結果】 眼球ポジションを導入すると、夜の痛みも消失し、不眠も解消。しかし、朝のトイレは地獄の痛みであるとの事であった。この症状も上記の眼球ポジション治療を継続(トータル10回)で改善。

【考察】 ラポール形成に時間がかかった。刺激の組み合せのバリエーションを、早期に導入するべきであった。眼球ポジションだけではなく、対抗反射刺激、眼球運動刺激、臭覚刺激、聴覚刺激と様々な刺激があるので、二次刺激を上手く活用していけば、もっと治療に幅が出るのではないかと思われる。