慢性頭痛

 
報告者:西埜 義則(にしのカイロプラクティック院

2010.5.13

【患者さま】 50代 女性
【既往歴】 下肢後面の重くだるい痛みを伴う右臀部痛
【主訴】 慢性頭痛
数年にわたって後頭部から側頭部にかけての締め付けられるような頭痛。 ほぼ毎日のように、夕方から就寝時までこの痛みが続いている。

【緩和要素】 首から肩にかけての強いコリ。
2人のお子さんをお持ちの30代女性が、肩こりと後頭部から側頭部にかけての頭痛を訴えて来院されました。
頭を締め付けられるような痛みが慢性的に続いていて、症状現れ始めておよそ5年になるそうです。市販の頭痛薬は一時的に痛みを和らげてくれますが、次第に効果は鈍くなっていったそうです。
バイタル・チェックや神経学的検査などの検査を澄ませて、重篤な病気の徴候がみられなかったので、彼女のケースはカイロプラクティックの範囲と判断できました。
アクティベータ・メソッドによるカイロプラクティック・ケアを終えると、肩こりはスッキリと解消されて、締め付けられるような頭痛もなくなっていました。
3日後の来院で様子を尋ねると、翌日には元通りの症状が現れたとのことで、肩もパンパンに張っていました。彼女のような頭痛は「筋緊張性頭痛」といわれて、一般的には「肩こりからくる頭痛」として認識されています。
カイロプラクティックでは、この「筋緊張性頭痛」は得意中の得意で、多くの方々にその素早い効果を実感していただける症例の一つです。ところが彼女には・・・
彼女の頭痛は、一般的には「肩こりから起きる頭痛」として知られています。カイロプラクティックでは、筋肉が緊張する原因を「神経のはたらき」のトラブルだと考えています。
「神経のはたらき」がトラブルを起こす原因は、「ケガや事故」「偏った栄養や薬」「気圧や気温の変化」、そして「精神的ストレス」があげられます。
心身条件反射療法では、「精神的ストレス」に着目して、不調からの回復を図ります。彼女には、「こころ」と「からだ」との関係性にターゲットを絞ってケアを進めることにしました。

頭痛の原因となる要素を絞り込む検査をおこなうと・・・
*「五感」 視覚→人
*「ジャンル・分野」 家族関係→娘
*「時系列」 常に
という反応が見られました。彼女にそのことを伝えると、娘さんとの関係が良好ではないようで、顔を見るだけでイライラ感があるとのこと。自分の家の中でありながら、リラックスできないということでした。
術 者 「イライラするのは、どういったことが思い浮かびますか?」
患者さま 「私が部屋を片付けなさいと言っても、後でするから放っておいてと睨むんです。」
術 者 「あなたが娘さんと同じ年頃のことを思い出してみて、いかがですか?」
患者さま 「同じようなことを言ってたように思いますね(笑)」
術 者 「では、娘さんのその態度をどのように受け止められますか?」
患者さま 「口うるさく言わなくても、任せていけばいいかなぁ」
術 者 「娘さんも成長されているということでしょう。」
と、いうような会話の中で、一つのパターン化した「こころ」と「からだ」の関係性を分析していきました。これを「アンリラックス・パターン」と呼んで、身体の不調を起こす原因だと考えています。

【検査結果】 娘さんの睨むような視線が、「からだ」を緊張させていました。これが、「アンリラックス・パターン」として、脳に学習記憶としてインプットされていました。
次に娘さんの視線を、「からだ」が緊張しないようなイメージに転換してみました。これを「リラックス・パターン」として、脳への再学習をおこないます。
この「アンリラックス・パターン」を「リラックス・パターン」に切り替えることで、ストレスに感じていたことが、ストレスに感じなくなります。これが、本当の「ストレス解消」です。

【施術結果】 彼女の「緊張パターン」が解消されたことで、慢性的に続いていた「肩こりと後頭部から側頭部にかけての頭痛」はなくなりました。そして、娘さんとの関係も良好なものとなって、現在、穏やかに生活されています。